今日砺波演劇鑑賞会の日で
井上ひさし脚本の「ある八重子物語」
を観てきました。
いただいたパンフレットの中に
先日亡くなった奈良岡智子さんの遺言を印刷した用紙がはさまれていました。
どちらかというと助演女優として
日本の演劇界に確かな地位を築いた奈良岡智子さん。
生前に残していたお別れのメッセージ
新たな旅立ちが始まりました。旅好きの私のことです。道の世界への旅立ちが何やら心が弾みます。
向こうへ着いたらすぐに宇野さん(宇野重吉)を訪ねます。もう一度あの厳しい演出を受けたいと長い間願ってきました。でもね、宇野さん、私はあなたよりずっと長く生きて経験を積んできましたからね、昔のデコじゃないですよ。(デコ、お前ちょっとマシになったな)と言われたい。これまで頑張ってきたんですから。腕がなります。杉村先生(杉村春子)ともう一度同じ舞台を踏みたかった。どんな役でもいいからご一緒したい。ワクワクします。両親に挨拶するのは、二、三本舞台をやって少し落ち着いてからにします。それからは裕ちゃん(石原裕次郎)や和恵さん(美空ひばり)と思いっきり遊びます。これが別れでは無いですよ。いつかはまたお会いできますからね。それでは一足先に失礼します。皆様どうぞごゆっくり。
粋で素敵なお別れのメッセージ。
共産党支持者で民衆の暮らしを見つめる人でした。
だいたいお芝居やると
何が正義か人々の暮らしに目が行くのが当たり前なんです。
それがまっとうな芝居です。
まっとうな芝居を作り
その中で育った役者さんが高齢によりなくなっていきます。
戦争を知る時代の人たちがなくなり
民主主義教育がなされていない人たちが増えていく。
今度の選挙の結果も本当につらい。
残念な時代です。