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夜中の電話 父・井上ひさし最後の言葉

夜中の電話 父・井上ひさし最後の言葉

先日「ひょっこりひょうたん島」が上演され
こまつ座の代表、井上ひさしさんの娘さん、井上麻矢さんが
井上ひさしさんの思い出を語っていた。

父の頼みでこまつ座代表取締役を引き受けてすぐに
父親のガンが見つかる。

がん治療中の父親から
夜中に電話がかかるようになる。

演劇という世界の大変さを
自分の命と引き換えに伝えようとした。

電話は毎日かかってくるようになり
会話の内容は時に厳しく、
長電話になり
父親の言葉を逃さず書き留めようとする
麻矢さんの指には血豆ができ
受話器を当てる左の耳は真っ赤になったという。

その言葉がまとめられているのが
この本です。

・問題を悩みにすり替えない。問題は問題として解決する。

・自分という作品を作っているつもりで生きていきなさい。

・幸せの形はそれぞれ違うものであり、実はささやかなことだ。

・背筋がまっすぐな女性になってほしい。
 コスモスの花のように風に揺れているけれど、根はしっかりしているような女性に。

・社会性というのは、特別なことでなく、自分が持っている荷物や傘が
 後ろの人にあたっていないかどうか、気遣って道を歩けるかどうかである。

というような言葉が
77つ並んでいます。


今も留守電に残っている父親の声が消せないのだと

井上ひさしさんの留守電が番組の中でも
再生された。

麻矢さん、用事はないんですけど
電話しました。元気ならいいです。

というような内容だったと思うけど
とても優しい話し方でびっくりしました。

アマゾンのこの本の書評を読んだら
必ずしも良くはなかったんですが
あの電話の優しい声を思い出して
やっぱり読んでみようと思いました。

読んでよかったです。