はれあたまダイアリー

とにかく続けるよ

バナナジュース

きのうの続きになりますが

万華鏡の冊子が出来上がったのが8月。

 

父に最後の「聞き書き万華鏡」のページを見せたら

「これお前が書いたのか」

ととても喜んでくれました。

 

父は貧しい新家の農家の長男だったので

新制中学での成績は良かったようですが

本を読んでいると怒られる

高校への進学など全く考えてもらえず

卒業後は田んぼをやっていて

そのうち出稼ぎに行くようになり

祖父が亡くなる私が5年の時まで

出稼ぎは続きました。

 

父が帰ってきて

父は荒い気性でしたし

思い通りにならない人生へのうっ憤を

時には家族にぶつけ

私にとってうっとおしい存在でした。

 

いろいろなご縁で

父が今の仕事の社長となり

自分の力を発揮して会社も広げ

家族の関係もよくなりました。

 

亡くなる年の5月、入院して

病院食がまずいと言っていた父に

タケノコの煮つけとタケノコご飯を持っていったら

うんまいのなんの

とあれほど食事を褒めてもらったことはありません。

毎年

タケノコの季節になると思い出します。

 

夏になると父の食が細り

父はそれが死に向かうのではないかととても怖がっていた。

(結果的にはそうだったのですが)

 

このときのメニューでよく作ったのが

バナナジュースです。

 

汁ものですッと入っていってカロリーが高い。

 

秋になって

バナナジュースもあまり飲まなくなり悲しかった。

 

町に出ると父ぐらいの人が

普通に歩いて買い物してる。

 

うらやましかった。

 

私と父は磁石でいう同極同士の似た者親子。

反発しあったが理解はできた。

 

そういうことを思い出す季節です。