夕方 携帯がなくなった。
忽然と姿を消した。
ないままに母と買い物行って戻ってきて
余り物と冷凍ギョーザを焼くだけの
テキトーな夕飯の支度をして
その間にも探すのだが一向に見つからない。
だいたい
マナーモードになってても
バイブレーターの音はかなりなもので
たいがいはすぐに見つかるのだが
家で、仕事場で、車の中で、
外で、玄関で、台所で
ありとあらゆるところで家電で呼び出してみるが音がしない。
携帯がなくなったと思うとほんとに困る。パニックだ。
多分仕事場だろうと仕事場にきて家電を鳴らす。
何の気配もない。わーん、どこいった！
母が仕事場に来た。
母がいても何の役にも立たないのだが
母はいっしょにおろおろしている。
膝が痛いのに歩き回る娘が不憫なのだ。
しかし20分ほどの探索ののち
ついに携帯が見つかった。
書類をしまう時になぜか携帯が挟まって
書類棚で挟まりながらウーウー言っていた。
見つかって本当に良かった。
心配していた母と喜びを分かち合った。
親はありがたい。
どんなにくしゃくしゃになっても長生きしてほしい。
さっきと世界は変わらないのに
コロナが身近に迫ってきてこわくなってるのに
とてもハッピーになった7時半だった。
