はれあたまダイアリー

とにかく続けるよ

本歌

藪之内流では
毎年初釜の茶事が行われていて

先輩はもちろん
後輩の若い車中の皆さんも
いらっしゃっているんですが

私は今まで行ったことがありませんでした。

つまりは
そんなに熱心な弟子ではないということです。

そんな弟子ではありますが

今回
初めて
家元家で行われる
茶事に参加しまして

しかも
襲名披露の茶事は
家元家にとっても
一世一代のものだということが
よくわかりました。

流派創世期、
つまり利休存命の
400年前のお道具が

目の前で見られ
触って
お茶を頂ける。

図録でしか見たことのない
数々のお品の本物があるのは圧巻でした。

お茶の世界で
レプリカじゃなくて
本物のことを

「本歌」

というんです。


歌の世界からきている言葉らしいのですが
どうしてそうなったのかは
よくわかりません。

家元家には

「本歌」しかないんです。

本物を守り続ける世界は
そりゃもう大変だろうなあ

その一端がうかがえる一日でした。

伝統を守るって
並大抵のことじゃないよ。

これからはもっと大変になっていくだろうし。

すごいお道具ばかりでしたが

古田織部作の茶室の
薄闇の中でぼんやりと見えた
初代家元剣仲作の花入れの
力強さが今もまぶたの裏に残っています。

1秒でも長く見てこようと
粘り強く見てきました。