はれあたまダイアリー

とにかく続けるよ

春を背負って

春を背負って

春を背負って

ちょっと読んだだけで
とても面白そうでずっと先が読みたかったのですが
今日は休みで一気に読めました。

今年の春に
あの「剣岳点の記」の木村大吉監督の
その次の作品として映画化されたお話の元本です。

亡くなった父親のあとを継いで
山小屋を経営するようになった主人公、亨と
彼を手助けするゴロさんと美由紀さん。
主な登場人物は3人です。

山小屋で暮らすということは
世間から遠ざかって暮らすということで
それなりの事情を抱えながら
集まってきた3人が
絆をつくっていく話です。

「欲と夢ってどう違うんだろう」
「欲しいものを楽して手に入れようとするのが欲だよ。とことん落ちぶれるまでの人生で、おれが追いかけていたのもそれだった」
「だったら夢は」
「それを手に入れるために労を厭わない、むしろそのための苦労そのものが人生の喜びであるかのようななにかだなー」


「つまりね、人生で大事なのは、山登りと同じで、自分の二本の足でどこまで歩けるか、自分自身に問うことなんじゃないのかね。自分の足で歩いた距離だけが本物の宝になるんだよ。だから人と競争する必要はないし、勝った負けたの結果から得られるものなんて、つかの間の幻に過ぎないわけだ」


「たぶんその敵というのは鏡に映った自分なんだよ。俺たちのような凡人はそうやって自分自身と喧嘩し続けて、人生を棒に振るのが落ちなんだ。運よくおれは会社を潰して、どん底まで落ちたところで目が覚めたわけだがね」

哲学的っていうんでしょうかね。

人生を語る言葉がたくさん出てきます。

未来が明るく見えるエンディングも好きでした。