はれあたまダイアリー

とにかく続けるよ

藤の花

今日は
友人のMさんのお宅に伺った。

ちょっとしたものを持って行ったのだが
私が急に行って
今日はすぐに帰りますと言ったもので

それじゃちょっと待って
と奥に行ってしまった。

その間
玄関にいて
壁を見ると

藤の花の額が飾られている。

ちゃんと時節のものが掲げられていて
さすが
Mさんだと感心する。

手に何かたくさんお菓子を持ちながら
戻ってきたMさんに

これは誰の作品?

と聞くと

父親にもらったものだからわからない

という。

この色紙は
Mさんが
今からン十年前に
この家に嫁ぐとき
実家のお父さんが持たせられたものだとのこと。

Mさんはいわゆる町部の人で
町部から村部へ嫁いできた。

今でこそ暮らしにそう差はないが
むかしの町部と村部の暮らしは全然違った。
雅と野卑。
泥のない暮らしと泥にまみれる暮らしだった。

お父さんは
百姓の家に嫁ぐ娘をずいぶん心配され
反対もされたというが

ガチ恋愛で嫁ぐことを決めたMさんは
どんなところだろうが
嫁ぐと決めていて
へっちゃらだったという。

お父さんはせめてのことにと
嫁ぎ先にはないだろうからと
絵や軸を持たせられたという。

綺麗に保存されていて
半世紀以上も前の品には見えなかったが

いい話を聞かせていただいて
お菓子をいただいた以上に
得した気持ちになる。

文字が全く読めません。
どなたかお分かりになりますか?