きのう
娘が
高校の演劇部の後輩に
電車の中で
偶然会ったそうだ。
彼は
高校から某大学の演劇学科に進み
今は
5次もある面接をパスし
ある有名演劇家の下で
役者として研鑽を積んでいるとのこと。
娘が演劇部だったし
多少はそういう道を志したい気持ちも
あったと思うが
結局堅実な道を選んで
毎日勤めに出ている。
親の私もそれで満足しているが
そうやって
こんなふうに自由業に飛び出す人の話を聞くと
いいなあ、
すごいなあ
と思う。
- 作者: 北野武
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この中で
北野武が
人生の中でいちばんの決断は
大学を中退することだったと言っている。
いろんなことがあった人だと思うが
それでも大学中退が一番大きな決断だったんだ。
それまでの俺は、いろいろありはしたけれど、結局のところは母親の言うことに従って、自分はこの社会という群れの中で生きていくものだとばかり思っていた。
道徳の話に引き寄せていえば、それまでの俺は母親の道徳観の中で生きてきた。
大学を辞めることを自分で決めたとき、俺はその母親の道徳観から飛び出したのだ。
自殺するにも等しいと書いたけれど、ほんとうにあのときはそれぐらいの覚悟が必要だった。浅草でのたれ死にしてもいいと、本気で思っていた。
芸人ならのたれ死にしても恰好いいやなんてうそぶいていたけれど、内心はそんな格好いいものではなかった。ただ、今でも忘れられないのは、そうすると心に決めたとき、見上げた空がほんとうに高くて広かったってことだ。ああ俺は、こんなに自由だったんだなあって思った。
北野武は
自由に生きろと言っているわけでなく
成功するのはほんの一握りで
ほとんど成功しないとも言っている。
でも空がほんとに気持ちよさそうで
ああ
そういう生き方が
できていたとしたら
イフ アイ ワー
と心からうらやましい気がした。