- 作者: 西加奈子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/03/11
- メディア: 文庫
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先日直木賞をとった西加奈子の作品。
「きいろいゾウ」は映画化されており
主演は宮崎あおいと向井理。
主人公のツマは
虫や動物の声が聞こえたり
子どものような感受性の持ち主で
そういう心の動きがいちいち書いてあって
めんどうくさいというか
入り込むのが
最後までむずかしい本でした。
でも
ツマ、夫のムコ、
近所に暮らす人たち
不登校の少年と
登場人物が魅力的なので
何となく
最後まで読むことができたのでした。
奥さんのツマさんは
夫のムコさんからみると(ツマもムコも固有名詞)
大地君(不登校で遊びに来る子)、今日会うのが二度目。聡明な子、という感じ。小さな頃の僕に似てるように思う。一度ゆっくり話してみたいと思うが、接し方がわからない。ツマはきっと訊くのだろう、どうして学校行かないの?朗らかに屈託なく。まだ結婚する前、東京で出会った友人に、「どうして帽子を脱がないの?」そう聞いた。彼が円形脱毛症なこと、ストレスで会社をやめたこと、それを知らずに。僕も言わなかった。どきりとした。でもそのとき訊かれた彼が素直に「髪が抜けて」と言った。驚いた。ツマには不思議な力がある。子供しか持っていない、でも、子供には持ち得ない力。 p109
という人。
近所のアレチさんの話
アレチさんの話、浮気は一度、たった一度だけしたことがあるとのこと。浮気も、家庭を揺るがすようなものではなく、やはり自分の女房が一番だと思えるようなものをするのはいい。鳥たちが他の畑で何かをついばんで、自分の田んぼで糞をして、そしてそれが肥料になるようなものだと。
なんていう話がところどころにはさまれていて
おもしろいんですね。
収まるべきところに収まっていく
ほんわりしたお話でした。