私たちが習っている三味線の先生は
はせがわ靴店の店主である長谷川先生だが
はせがわ靴店は
城端目抜き通りの一等地にある。
道を挟んで北銀とは隣同士。
この間のお稽古で
先生から昔話を聞かせてもらった。
昔
銀行は大みそかまで営業していて
しかも深夜まで仕事は続いたらしい。
途中で
はせがわ靴店の風呂に
行員がかわるがわる入りに来たという。
年が明ける前に身を清めようというのか
それが慣習になっていたらしい。
銀行は町の社長連中のたまり場で
麻雀のメンツが足りないと
長谷川さんのお父さんに
ちょっときてくれないかと
ちょくちょく声がかかったらしい。
勤務中はダメなのに
待ちきれない社長連中が
麻雀を始めちゃうということも
めずらしくなかったとか。
牧歌的な時代の話。