はれあたまダイアリー

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津波の霊たち

津波の霊たちーー3・11 死と生の物語

津波の霊たちーー3・11 死と生の物語

先日
大川小学校の
2審の仙台高裁で

訴えた保護者たちの勝訴が伝えられたが

この本は
その大川小学校の児童教職員含めて74名が亡くなったことを
中心に取材されたルポ。

綿密な取材、
冷静な筆のタッチで

実際にあったことを
書き綴ろうとする真摯な姿勢が
最初から感じられて

その清潔さに最後まで引っ張られていく。

訴えるというのは
その地域に逆らうということなのだ。

逆らえばその復習
昔で言えば村八分のような扱いを、
わかるかわからないかとはっきり言えない
靄のかかったようななかで
差別をうけていくことなのだ。

それが日本だということを
この著者はぐいぐいと突きつける。

同じ子供を失った保護者でも
他の失い方の違い
家族とか、家とか、職場とか。

それで保護者のつながりが断絶されていく。

訴える立場に至った人
そうではなかった人

克明な取材が
言葉が胸を打つ。