12月30日の
読売新聞「編集手帳」
昨年亡くなった人の言葉が
連ねられている。
文字色紫が本人の言葉
文字色緑が
長田弘(日本の詩人、児童文学 作家、文芸評論家、翻訳家、随筆家)
この世で、人はほんの短い時間を
土の上で過ごすだけにすぎない
仕事して、愛して、眠って
ひょいと、ある日、姿を消すのだ。
人は、大きな樹のなかに
俳人 津田清子(5月逝去)
千里飛び来て白鳥の争へる
つらい旅路の道連れ同士がなぜ争う、白鳥よ、人間よ。
人生
桂米朝(3月逝去)
芸人は、米一粒、釘一本もよう作らんくせに、
酒がええの悪いのと言うて、好きな芸をやって一生を送る。
芸をみがく以外に世間にお返しする途(みち)はない。
芸人になった以上、末路哀れは覚悟の上やで。
人生
評論家 鶴見俊輔(7月逝去)
出鱈目の鱈目の鱈を干しておいて 夜ごと夜ごとにひとつ食うかな
食いきれぬほどの「身から出た錆」を持て余し、年がゆく。
人生