はれあたまダイアリー

とにかく続けるよ

エクモ体験者

南砺市は今日から50代の

ワクチン接種の受付が始まったが

周りで副反応の心配をしている人が

けっこう多くて

ワクチン接種を受けるかためらっている人も多い。

政府が危篤患者以外は入院させないと言うようになっても

副反応への拒絶感は結構蔓延しているように思う。

 

きのう中西圭三のお兄さん

中西光雄さんの文章を目にした。

ワクチンを迷っている方にはぜひ一度読んでいただけたらと

Facebookからコピーする。

中西光雄さんは河合塾の古文の先生で

長文ですがたいへんわかりやすい読みやすい文章を書いておられます。

おはようございます。
入院後一か月目の朝を迎えました。
思いがけず長い療養生活が続いています。
38度の発熱から3日後の朝、それまで98あった酸素飽和度が80代に低下し、あっという間に爪も指も土気色に変わってゆきました。保健所に相談したところ、県のドクターが電話をくださり、重症化の可能性が極めて高いから、救急車を呼んで入院してくださいとのこと。横浜労災病院へのコーディネイトもしてくださいました。
入院後直ちにステロイドのが投与がはじまりました。熱は下がったのですが、肺炎は悪化していったらしく、重症者にだけ適応されるエクモ(体外型膜式人工肺)がある横浜市大附属病院に転院しました。そこからの記憶がありません。
私の意識が戻ったのは7月9日。昨日息子から聞かされたのですが、酸素飽和度が通常の5分の1まで落ち、ドクターからいつ死んでもおかしくないと告知されていたそうです。7月6日にエクモが装着され、日本に4台しかないエクモカー(車中でエクモが装着できる救急車)で横浜市総合医療センターの高度救命救急室に移送。私はまったく知らない場所で覚醒したことになります。ここでエクモのエキスパート谷口先生が主治医になって献身的な治療をしてくださったおかげで、少しずつ自発呼吸が戻り、意識も戻ったようです。脚の付け根と首にエクモの管が入り、気管挿管されていたので声も出ませんが、生きていることは実感できました。翌日オンライン面会で息子と孫に会えた時には涙がとめどなく流れました。ほんとうに救っていただきました。
谷口先生によるとエクモは通常装着10日目くらいから効果があるそうですが、私はそれより早く装着7日目の12日に離脱することができました。例外的にはやい回復だったようです。抜管後二日間人工呼吸器の酸素量をコントロールしながら自発呼吸が安定してきたことを確認し、最初に入院した横浜労災病院ICUに戻ってきたわけです。高度な治療を病院間を超えて提供する体制が横浜市にはあり、私は今できうる限り最高の治療をしていただいて命が救われたと心から感謝しています。
ドクターだけでなくナースみなさまの献身にも感謝しています。意識が戻ってから常に話しかけ、患者の心に寄り添い、励ましてくださいました。ラジオを持ってきてFMを聴かせてくれ、私がジャズが好きだとわかると有線放送でジャズをかけてくださったりもしました。私の仕事を知るや、「古文」は一番嫌いでしたと口を揃えていう割には、清少納言の自慢話がいかにもという感じがして大嫌いなんですと言ったり、「徒然草」って何時代でしたっけ?という質問までされて、さすが医療系の学生はしっかり古文を学習していることもわかりました。とても楽しい経験でした。患者の心と身体の微妙な変化に気づき、私が一番苦しい一晩に寄り添ってくださったナースのことは忘れられません。彼女は翌朝「心配してたんですよ」と言って担当を代わられたのですが、この方は私の苦痛をほんとうに共有してくださっていたのだと思いました。ただその方にはお礼を言うことができていません。いずれ必ずと思っています。その方に限らず、現在活躍している医療者たちは強い使命感と献身で日本の医療を支えておられます。特に若い人々の懸命な姿に心を打たれました。「中西さんにはちょうどいい室温だと思いますが、私たちサウナスーツを着てるようなものなんです。だからと言ってちっとも痩せないんですけどね」と言って思いきり笑わせてくれたベテランのナースもおられました。コロナ患者の看護のためには、部屋に出入りするたびに防護服を脱着する必要があり、さぞ大変だろうと思うのですが、それをユーモアを交えて笑い飛ばしてくださり心が軽くなりました。ありがたいことでした。
多くのみなさまが家族とともに私の回復を祈ってくださっていたことに感謝する日々です。中途半端なことを申し上げると気持ちが悪いだけなので別の機会にあらためますが、今回の臨死体験の中でみなさまの祈りが届くという経験を確かにしました。完治しましたらこのご恩は必ずお返ししてゆくつもりでおります。
私が感染したのはアルファ変異株だとわかっています。なぜ私が重症化したのかを考えるのですが、ようするに7月はじめにおいて、ワクチン未接種の高齢者であるというファクターが一番大きいように思います。私には発熱後接種券が届けられました。最悪のタイミングでしたが、今一番弱いものにターゲットを絞って徹底的に攻撃してくるという賢さ・冷酷さこそ新型コロナウイルスの本質だと私は思っています。
本来退院後にまとめるべきことを今日こうして書きましたのは、現在爆発的に感染拡大中のデルタ株からぜひ身を守っていただきたいと願うからです。デルタ株はワクチン接種の年齢層の拡大に応じて、若者に、40〜50 代に容赦なく襲いかかってきています。恐ろしいやつです。合理的で賢いやつです。ワクチンの接種が可能な方はなさっていただきたいですし、不可能な方はさらに特段の注意をして生活なさってください。患者が増え、さきほど述べた医療のすばらしい連携がとれなくなれば、最良の治療を受けられなくなり、医療者も疲弊します。感染した私が言ってもまったく説得力はありませんが、どうかこの厄介なウイルスに感染なさいませんようにと私の全身全霊をかけてお願い申し上げます。
コロナウイルスは一度陽性になるとなかなか身体から出ていきません。私の場合は3週間かけてやっと陰性になりました。私自身はこの結果を受けて隔離解除となり、治療もほぼ終了しました。現在は一般病棟でリハビリをしながら、リハビリ専門病院への転院を待っているところです。
命がかかった闘いをしたために当初まったく身体が動きませんでしたが、今は介助付きで歩くことができます。日々回復してゆく自分を励ましながら、あと少し入院生活を続けます。
どうぞみなさまお元気で!
これからもよろしくお願い申し上げます。
(もしどなたかのお役にたてるのでしたら、ご遠慮なくシェアなさってください。)